PONOS Advent Calendar 2019の13日目の記事です。
昨日は@nimitsuさんのGameLift RealTimeServerで遊んでみよう for Unity(Unity編)でした。
はじめに
Unity 2019.1でついにUIElementsが正式リリースされました。
今後ランタイムUIへの採用も決定されており、Unity全体のUIフレームワークとして利用されていくことになると思うのですが、残念ながら現時点ではまだ使いづらさを感じることがあります。
今回は私がUIElementsに触れてみて不便だと感じた問題点を共有するとともに、皆様のUIElements開発が少しでも改善されるようにそれらの問題点の解消方法を紹介したいと思います。
※もしこれから紹介する問題点について、他の解消方法をご存じの方がいらっしゃいましたらコメントください!
※紹介している以外に困っている点がありましたらぜひコメントください。一緒に解決しましょう!
なお、
- Unity 2019.2.12f1
- MacOS 10.14.6
の環境で動作確認しています。
UXMLをリロードできるようにする
問題
公式のコードやAssets/Create/UIElements Editor Window
メニューで作られるコード上では、EditorWindowのOnEnable()内でUXMLやUSSを読み込み、反映するように記述されています。
EditorWindowがフォーカスされるたびにレイアウトを読み込み直す必要はないですし、EditorWindowが開いたタイミングかコンパイルが走ったタイミングでこれらの処理が実行されるのは無駄がなく効率的だと思います。
しかし、開発中などはUXMLの編集を頻繁に行いますし、コンパイルが走るタイミングとは違うタイミングでUXMLを読み込み直したいことも多いと思います。
もちろん、そのたびにEditorWindowを開き直せば再度UXML の読み込むことができますが、フローティングなウインドウならともかく、他のウインドウとドッキングして使用することを想定したウインドウの場合にはEditorWindowの開き直しは結構な手間です。
(なお、USSはリアルタイムで変更が反映されます)
解決
EditorWindowのメニューからUXMLのリロードを行えるようにしました。
EditorWindowにIHasCustomMenuを実装し、リロードするためのメニューアイテムを登録するようにしています。
usingSystem.Collections;usingSystem.Collections.Generic;usingUnityEngine;usingUnityEditor;usingUnityEngine.UIElements;publicclassReloadableEditorWindow:EditorWindow,IHasCustomMenu{publicvoidAddItemsToMenu(GenericMenumenu){// メニューアイテムを登録。menu.AddItem(newGUIContent("Reload"),false,()=>{ReloadUxml();});}[MenuItem("Window/UIElements/ReloadableEditorWindow")]staticvoidOpen(){ReloadableEditorWindowwnd=GetWindow<ReloadableEditorWindow>();wnd.titleContent=newGUIContent("ReloadableEditorWindow");}publicvoidOnEnable(){ReloadUxml();}voidReloadUxml(){// 一度ルートに紐付けられた要素を全て削除する。rootVisualElement.Clear();// UXMLの読み込み。varvisualTree=AssetDatabase.LoadAssetAtPath<VisualTreeAsset>("...");VisualElementlabelFromUXML=visualTree.CloneTree();rootVisualElement.Add(labelFromUXML);// その他、レイアウトに関する各種処理。}}
UXMLの編集を行った後にこのメニュー項目を実行すれば、現在開いているEditorWindow上でUXMLを再読み込みさせることができます。
UXML / USSのパスを取得しやすくする
問題
現在UXMLとUSSは、Assets/
から始まるアセットパスをAssetDatabase.LoadAssetAtPath<T>()
に渡して、それぞれVisualTreeAssetオブジェクトとStyleSheetオブジェクトとしてロードします。
現状で読み込みの機構が整備されていないためかもしれませんが、ソースファイルのパスをハードコーディングしているので、ファイルの場所が変更されたときなどにサポートしづらく、作成したUIElementsをモジュール化して他者へ配布するときにも不便です。
varvisualTree=AssetDatabase.LoadAssetAtPath<VisualTreeAsset>("Assets/Editor/Sample/SampleWindow.uxml");varstyleSheet=AssetDatabase.LoadAssetAtPath<StyleSheet>("Assets/Editor/Sample/SampleWindow.uss");
解決
動的にUXMLとUSSのパスを取得します。
指定したファイル名のファイルをAssetDatabaseから探し、アセットパスを返すメソッドを作成します。
ファイル名から検索するので、後ほどプロジェクトの階層が変わってもファイル名やクラス名が変更されていなければ引き続き参照ができます。
usingSystem.Collections;usingSystem.Collections.Generic;usingUnityEngine;usingUnityEditor;usingSystem.Linq;usingSystem.IO;publicstaticclassUIElementsPath{publicstaticstringFindUxml(stringname){returnFind(name,"uxml");}publicstaticstringFindUss(stringname){returnFind(name,"uss");}staticstringFind(stringname,stringextension){varassetHashs=AssetDatabase.FindAssets(name);varresults=assetHashs.Select(hash=>AssetDatabase.GUIDToAssetPath(Path.GetFileNameWithoutExtension(hash))).Where(assetPath=>Path.GetFileNameWithoutExtension(assetPath)==name).Where(assetPath=>Path.GetExtension(assetPath)=="."+extension);// 同じ名前のUIElementsが複数存在する(名前空間が違う等)場合の警告。if(1<results.Count()){Debug.LogWarning($"\"{name}\"で{results.Count()}件の結果が見つかりました。\n\n{results.Aggregate((a,b)=>a+"\n"+b)}");}returnresults.FirstOrDefault();}}
このメソッドを使用すると、先程のコードは以下のように書き換えることができます。
varvisualTree=AssetDatabase.LoadAssetAtPath<VisualTreeAsset>(UIElementsPath.FindUxml("SampleWindow"));varstyleSheet=AssetDatabase.LoadAssetAtPath<StyleSheet>((UIElementsPath.FindUss("SampleWindow"));
おわりに
まだ開発を効率よく進めていくには多少の工夫が必要なUIElementsですが、はじめにお伝えしたとおり将来のUnityのUIはこのフレームワークを利用して開発していくことになるので、早めに触れておくことをオススメします。
明日は@karizumaiさんです!